所得税と住民税はいくらとられるの?税金の仕組みを徹底解説!

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毎月のお給料から差し引かれる、所得税・住民税・各種社会保険料の金額が高いなと感じている方も多いと思います。

また、年末調整が行われ、年明けの給料から、所得税が追加でとられるのか、還付されるのかが気になることもあると思います。

そのため、今回は、所得税や住民税の仕組みについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

1.国税か地方税かの違い

まず所得税と住民税の仕組みとして、国税が地方税かという違いがあります。国税は国に納める税金に対して、地方税は都道府県や地区町村に納める税金です。

所得税は国税、住民税は地方税ですので、納める管轄が異なるため、税金の計算方法などにも大きな違いが生じてきます。

2.累進課税か、一定税率かの違い

(1)所得税の累進課税

所得税は、課税所得に対して、以下の税率で累進課税されます。累進課税とは、所得が上がれば上がるほど税率が高くなり、納税額が増加する制度を言います。課税所得と税率の関係は以下の通りです。

№18①

よくある誤解として、課税所得が195万円までは5%で、195万円を超えると10%なので、195万円を超えると税率が高くなり損をしてしまうのではないかと思いがちですが、安心してください。

課税所得が200万円であれば、

195万円×5%+5万円×10%=102,500円

課税所得が1,000万円であれば、

195万円×5%+135万円×10%+365万円×20%+205万円×23%+100万円×33%=1,764,000円が所得税となりますので、そのような事態は起こりません。

(2)住民税は一定税率

住民税は、所得税と異なり課税所得の10%が一律徴収されることになるため、累進課税制度は採用されていません。

(3)復興特別所得税

平成25年からは、復興特別所得税も徴収されています。復興特別所得税は、所得税の2.1%が徴収されることになりますので、所得税10%の場合には、10%×1.021=10.21%となります。この合計税率は以下の通りです。

合計税率(%)=所得税率(%)×1.021

2.納付時期の違い

所得税と住民税は、納付時期が異なっていることに注意が必要です。

所得税は、今年の課税所得に対して徴収されるのですが、住民税は前年の課税所得に対して徴収が行われるという違いがあります。

会社員の場合を前提にすると、毎年1月から12月の課税所得の合計でその年の所得税の額が確定します。

対して、住民税の場合には、毎年1月から12月の課税所得の合計で、翌年の住民税の額が確定します。

そのため、社会人一年目は住民税が発生せず、退職した翌年は住民税のみ徴収されることになります。年収が増加している場合には、前年分の住民税が控除されるのは問題ないのですが、年収が大幅に減少した場合には、前年分の住民税の負担が重く感じることになってしまいます。

3.課税所得とは

次に大事なのが、年収と課税所得の違いになります。この部分は非常にわかりづらいので、以下の給料明細の具体例を用いて説明していきたいと思います。

№18③

(1)額面と手取り額の違い

上記給料明細は月の基本給が250,000円の方を前提に、残業代が50,000円あるので、年間の給料の額面は、3,600,000円+交通費となります。

この場合に、交通費を除いた年間の手取り額は、2,868,000円となります。

この額面3,600,000円と手取り額2,868,000円の差額について、一つひとつ仕組みをみていきたいと思います。

(2)各種控除と課税所得

所得税も住民税も額面ではなく、額面から各種控除額が差し引かれた課税所得に対して課税されています。

ではどのような控除があるのでしょうか。具体的には課税所得の算定上は、以下のような控除を受けることができます。

配偶者控除 扶養控除 基礎控除 給与所得控除 障害者控除 勤労学生控除 配偶者特別控除 社会保険料控除 小規模企業共済等掛金控除 生命保険料控除 住宅借入金等特別控除etc

よく、アルバイトなどをする場合には、103万円の壁などと言われることがあると思います。これも、すべての人は、基礎控除38万円と、給与所得控除65万円が控除されるため、103万円までは所得税などが発生しないことを意味しています。

給与所得控除は、年収に比例して控除できる額が変動するのですが、最低で65万円の控除が受けられるのです。年収が1,000万円の方は給与所得控除を220万円受けることができます。

給与所得の額は、以下の様に所得ごとに決まっています。

№18②

そのため、上記給料明細で言えば、

3,600,000円から

基礎控除△380,000円

給与所得控除△1,260,000円

社会保険料控除△504,000円

などが差し引けますので、課税所得は、1,456,000円程度になります。

そのため、所得税は、課税所得1,456,000円×5%=72,800円(年額)程度となるのです。

また、住民税は課税所得1,456,000円×10%=145,600円(年額)程度となります。

細かいことはさておき、基本的には、上記の様に所得税の金額、手取り金額が決定しているのです。

参考までに、独身で扶養家族がいない場合の、年収別の手取り額を下記の表に示しておきますので、参考にしてもらえればと思います。

年収  500万円 手取り  390万円

年収  700万円 手取り  530万円

年収 1,000万円   手取り    730万円

年収 1,500万円 手取り 1,040万円

年収 2,000万円 手取り 1,320万円

4.年末調整とは

年末調整とは、1年間の所得に対する確定した所得税額と、毎月の給料から源泉徴収されていた所得税額の差額を調整することを言います。

所得税は、毎年1月から12月の所得金額に基づいて税額が確定するため、概算で源泉徴収していた金額と確定額に差が生じることになります。

そのため、源泉徴収額が少なければ、追加で徴収され、源泉徴収額が少なければ、税金が還付されることになります。

基本的に、一つの会社からのみ給料をもらっている場合には、会社が年末調整を行い、年末調整後の源泉徴収票をくれますので個人で確定申告する必要はありません。年明けの給料の手取り額で自動的に調整されています。

5.確定申告が必要なケース

上記の様に、複数の会社から給与所得があるようなケースでは、原則として個人で確定申告を行い、すべての所得を合算したうえでの所得税との差額を納税する必要があります。

給与所得以外の収入が20万円未満の場合には確定申告は不要ですが、20万円以上の場合、または、給与所得がある場合には確定申告が必要です。

上記の確定申告が必要な場合において確定申告を行っていない方も多いのではないでしょうか。
その場合においては、副業の収入からも源泉徴収が引かれているので、合計の所得金額が少なければ、確定申告をすれば還付されることになるので、確定申告をしない=脱税にはなりません

しかし、本来確定申告をすれば、追加で所得税を納付するようなケースでは、確定申告をしていないことが脱税になってしまいます。

個人のわずかな脱税までいちいち税務署もチェックしないことが多いので、現状では見逃されていることが多いのですが、単に確定申告の必要性を知らないまま、気づかずに脱税しているというケースも多いですので、注意してほしいと思います。

また、医療費控除など一部の控除は確定申告時にしか申請できないものもありますので注意してください。

今後は、マイナンバーが導入され、複数の会社からの給与所得も、マイナンバーにより厳密に管理できるようになったことも、そのようなケースで確定申告をしていない方が多いことが、一つの要因になっているのです。

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