株主総会って何? 基礎から徹底解説!

会計知識

ニュースや新聞等でよく見聞きしますが、どんな会議なの?どうやって開催されるの?何を決めるの?と聞かれるとちょっと困ってしまうのではないでしょうか。

日本には200万社以上の株式会社が存在しますが、その株式会社において非常に重要な機関がこの株主総会です。

そこで、今回は、株主総会とは何かについて、基礎から徹底解説をしていきたいと思います。

1.株主の権利

株主総会について説明するために、まず、株主とは何か、株主にはどのような権利が与えられているのかを説明いたします。

(1)株主とは何か

株主とは、株式会社が発行する株式を保有する人です。別の表現では、株式会社に対する出資者とも言われます。

株式会社が出資を受け、株式を発行すると、出資した人は株主になります。このように直接株式会社に対して出資をした人がまず株主となりますが、その後、保有している株式を他人に譲渡することもできるので、その場合は、株式を譲り受けた人が株主になります。

つまり、現時点で会社にお金を出している、会社の所有者のことを株主と言います。

(2)株主の権利

次に、株主はどのような権利を有するのかを説明します。

株主が有する権利を株主権と言いますが、この株主権は大きく『自益権』と『共益権』2つに分けることができます。

① 自益権

その1つが自益権です。自益権とは、株式会社から経済的な利益を受ける権利をいいます。

代表的なものとしては、剰余金配当請求権です。株式会社は営利法人であるため、活動から得た利益を株主に剰余金として配当(分配)することができますが、その配当を受ける権利が株主には与えられているのです。

② 共益権

2つ目の権利が共益権です。共益権とは、株式会社の重要な意思決定に参加する権利、株式会社の経営を監督して是正することができる権利をいいます。

代表的なものとしては、株主総会における議決権(投票権)です。後述しますが、株主総会においては、株式会社にとって重要事項を決定していきますが、その意思決定に参加することができる権利が株主には与えられているのです。

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③ 株主権のまとめ

以上のように、株主は、株式会社に対して株主権(自益権と共益権)を有することになります。

先ほど、自益権と共益権のそれぞれの代表的な権利(剰余金配当請求権と議決権)を紹介しましたが、その他にも何十種類もの権利があります。

つまり、株主権というのは、何か一つのことを株式会社に対して請求することができる権利というものではなく、会社の所有者として多くの権利を有しているという理解をして頂ければと思います。

2.株主総会とは

それでは、議決権を実現する場である株主総会について説明をしていきます。

前述した通り、日本には、上場企業から、中小企業まで何万社という株式会社が存在しますが、それにより説明が若干異なってきますので、この記事ではニュースでもよく耳にする上場会社、その中でも最もポピュラーな会社を前提に説明していきます。

(1)いつ招集されるの?

株主総会は、招集する時期によって、① 定時株主総会、② 臨時株主総会に分類できます。

① 定時株主総会

定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集(開催)される株主総会です。会社法上、招集(開催)が義務づけられているものです。

定時株主総会は、毎年6月の下旬に集中します。その理由はここでは詳しく説明しませんが、わが国は3月決算の株式会社が非常に多く、会社法、法人税法、金融商品取引法等、様々なしがらみがあり、事業年度末から3か月以内に招集する必要があること、また、総会屋と呼ばれる健全な株主総会の運営を阻害する人達を排除することが挙げられます。

臨時株主総会

株主総会は、必要があれば、いつでも、何回でも招集(開催)することができます。このように、必要に応じて臨時的に招集(開催)される株主総会を臨時株主総会といいます。

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(2)どうやって招集されるの?

株主総会を招集する場合、株式会社は招集通知を株主に発します。招集通知には、株主総会の日時や場所、何を決めるのか等が記載されています。

株主に出席する準備期間を与えるために、招集通知は、株主総会の日の2週間前までに発しなければならないとされております。

(3)何を決めるの?

株主総会で決めるのは株式会社の重要事項といいましたが、大まかに分類すると、① 会社の根本に関わる事項、② 会社の役員の人事に関する事項、③ 株主の利害に大きく影響を与える事項の3つに分けることができます。

① 会社の根本に関わる事項

具体的には、定款の変更、事業譲渡、合併等の組織再編行為、解散等がこれに該当します。

定款は、会社の根本規則とも呼ばれる基本ルールなので、その変更は会社の根本に関わる事項ですので株主総会での決議が必要になっています。

また、事業譲渡、合併、解散等は、会社の組織形態を大きく変える事項とですので、株主総会での決議が必要になっています。

② 会社の役員の人事に関する事項

役員とは、取締役や監査役のことです。

株式会社は、所有と経営が制度的に分離しています。すなわち、株式会社を実質的に所有している株主は会社の経営にあたらず、経営者である取締役を株主総会で選ぶことで経営をお願いしているという関係にあるのです。もちろん、選任だけでなく、解任することもできます。

やはり、会社の経営者を選ぶわけですから、会社にとっても重要事項ということです。

③ 株主の利害に大きく影響を与える事項

剰余金の配当に関する事項や役員の報酬等がこれに該当します。

剰余金の配当に関する事項は、株主に直接影響を与える事項です。

また、役員の報酬についても、株主総会で決定します。この決定を役員に任せてしまうと、自分の報酬を自分で決めることになり、不当に高額な報酬が決定されてしまうおそれがあるためです(これを一般的に「お手盛り」といいます)。

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(4)どうやって決めるの?

① 資本多数決

株主総会の決議は、多数決で行われますが、株主1人に対して1議決権が与えられるわけではありません。株主には、原則として、1株につき1議決権が与えられます。これを1株1議決権の原則といいます。

すなわち、1株持っている株主は1議決権、10株持っている株主は10議決権が与えられるのです。これにより、株式を多く所有している人ほど、多数決において強い影響力が認められることになります。このような多数決のことを資本多数決と呼びます。

多く出資していると考えられる人ほど、大きい発言権を与えようということです。

1株1議決権の例外として、単元株制度があります。単元株は、株式市場での売買や議決権を行使する際の最小単位のようなものです。例えば、100株で1単元とした場合は、100株に対して1議決権が与えられます。

② 議決権の行使方法

議決権は、株主が実際に株主総会に出席して行使するのが原則ですが、株主だって全国に散らばっているわけですし、2社の株主総会が同じ日時に開催された場合は、両方に出席することができません。

しかし、株主総会における議決権は株主にとって重要な権利なので、できるだけ議決権の行使を認めるために、(a)議決権の代理行使、(b)書面投票・電子投票制度があります。

(a)議決権の代理行使

株主は、代理人を株主総会に出席させることで議決権を行使することが認められています。

しかし、無制限に代理行使を認めてしまうと株主総会が混乱するおそれもあるため、多くの株式会社において、代理人は株主に限る旨が定款に定められています。

(b)書面投票・電子投票制度

書面投票・電子投票制度とは、株主総会に出席しない株主が、書面または電子的な方法(インターネット等)により議決権を行使できる制度です。

議決権の代理行使と異なり、他人を介在させることなく、直接に自らの意思を決議に反映させることができるというメリットがあります。

株主数が1,000人以上の株式会社においては、原則として、書面投票制度の採用が強制されます。これに対して、電子投票制度を採用するか否かは、株式会社の任意となっております。

③ 決議の種類

株主総会の決議は、多数決によって行われますが、決定する事項の重要性によってその要件が異なります。ここでは、(a)普通決議、(b)特別決議を説明します。なお、説明を簡略化するために、定足数については満たしている前提で説明させていただきます。

 定足数とは、株主総会を開催して意思決定をするために必要な最小限の出席数のことです。
(a)普通決議

普通決議は、株主総会の決議の中で最も基本的なものであり、出席した株主の議決権の過半数をもって行います。

当然、代理行使された議決権や書面投票・電子投票制度により行使された議決権も出席した株主の議決権に算入されます。

つまり、株式会社の議決権の50%超を保有する株主は、単独で、普通決議を成立させることができるのです。

前述した、剰余金の配当に関する事項、役員の報酬、取締役・監査役の選任、取締役の解任等が普通決議で決定できる事項となります。

(b)特別決議

普通決議よりも慎重な判断が要求される事項は、特別決議が必要となります。特別決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数をもって行います。

つまり、株式会社の議決権の66.66666…%以上を保有する株主は、単独で、特別決議を成立させることができるのです。特別決議が必要な事項としては、会社の根本に関する事項(定款の変更、事業譲渡、合併等、解散等)や、監査役の解任等です。

④ 株主総会の運営

株主総会は多数の株主が出席する会議であるため、議事運営を仕切る議長の存在が必要となります。

議長は、当該株主総会の秩序を維持し、議事を整理する権限を有し、その命令に従わない者その他株主総会の秩序を乱す者を退場させることができるという強い権限が与えられています。

実際は、社長が議長にあたる旨を定款に定めている株式会社が多いようです。

(a)決議が成立する流れ

ある議案に対して、株主が賛否の意思を表示して、要件を満たせばその決議は成立します。議案は、原則として取締役が決定しますが、一定の要件の下、株主が提案することも認められています。

例えば、「1株に対して100円を配当する」という議案に対して、出席した株主の議決権の過半数が賛成であれば、その決議は成立します。

(b)役員の説明義務

株主には、株主総会において質問する権利(質問権)や意見を述べる権利(意見表明権)があります。

それに対応する義務として、取締役や監査役には株主から説明を求められた事項に対する説明義務が課せられています。

このように義務を明確化することにより、株主総会の活性化が図られることが期待されているのです。

 

以上、株主総会とは何かについて基礎から徹底的に解説をしてきました。あまりに応用的な説明になってしまう箇所は省いて説明をしてきたので、気になる方は調べてみるとより理解が深まると思います。