公認会計士の仕事内容とキャリアの選択肢を徹底解説!

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医者・弁護士と並び三大国家資格と言われる公認会計士ですが、公認会計士が実際にどのような仕事を行っていて、どんなキャリア選択をしているのかはあまり知られていません。

そのため、今回は、公認会計士の仕事内容とキャリア選択について解説していきたいと思います。

1.公認会計士の業務内容~独占業務~

公認会計士の資格保有者しか担うことができない独占業務には、監査業務と税務業務の2つがあります。

(1) 監査業務

公認会計士法の第一条には、公認会計士の使命が次のように書かれています。

「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」

ここでいう「財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保する」という部分が監査を意味しています。

つまり、会社が作成した財務書類(主に財務諸表)が適正に作成されているかを、外部の専門家の立場からチェックし、粉飾決算により、投資者(主に株主)及び債権者(主に銀行)が会社に騙されることを未然に防ぐことが公認会計士の監査の目的です。

公認会計士は、監査を実施した結果、監査報告書という監査の結論を記載した書類を提出します。これには、この財務諸表は、適正に作成されており、粉飾決算等は行われていませんよということを公認会計士が保証する意味があります。つまり、企業にお金を提供している債権者や投資家に対して、財務諸表が、会社の真実の状況ですとお墨付きを与えているのです。

このように、公認会計士が財務諸表という情報の信頼性を保証することによって、債権者や投資家は、初めて、財務諸表を信頼できるようになり、どの会社にお金を貸すか、どの会社に投資をするかの判断を下すことが可能になります。

では、もし財務諸表が真実を示していないような状況、つまり、粉飾決算が行われているような状況が頻繁に生じてしまうと、どのような問題が生じるのでしょうか。

そのような状況では、債権者や投資家は、財務諸表を見ても、その内容を100%信用することができないので、お金を出すかどうかを躊躇してしまい、会社にお金が回らなくなってしまいます。さらに、会社にお金が回らないと、会社としては、必要な投資ができなくなり、結果として、経済は停滞してしまうという問題が生じてしまうのです。

このような問題が生じないようにするために、つまり、債権者や投資家が、企業にお金を出しやすくし、さらに、経済活動が円滑に行われるようにするために、財務諸表という情報の信頼性を保証することが、公認会計士の使命なのです。

今日のように、資本主義経済が発展したのは、必要なお金が必要な会社へ提供されるようになったことが非常に大きいと言えるでしょう。その資本主義経済の仕組みを根底で支えているのが、公認会計士の監査業務です。

(2) 税務業務

税務業務とは、税金に関する業務全般を意味しています。会社は、毎年稼いだ利益から税金を納めなければなりません。これが法人税等と言われるものです。更には、消費者から受け取った消費税も納めなければなりません。また、個人も収入から所得税などを納めているし、相続税もあります。このように、我々の生活は多くの税金に囲まれており、様々な税金を納めています。

まず、税務業務の代表的な業務は、税務書類の作成・代理申告です。

税務書類の作成・代理申告とは、会社や個人が、正しく税金を納税できるように、様々なサポートをすることです。具体的には、個人や会社が、納めるべき税金の金額を算定したり、税務署に提出する各種書類を作成し、代理で申告したりします。

また、様々な税金の相談に対して、適切なアドバイスをする税務コンサルティングがあります。

税務の規定というのは、本当に複雑であるので、同じ状況でも、賢く節税をするかどうかで納めるべき税金の額が倍以上違うことも多いです。当然、法律に違反して税金を払わないのは、脱税で罰せられますが、法律の範囲内で節税することは、全く問題ありません。

そのため、専門知識を用いて、様々な節税のアドバイスをして欲しいという個人や企業からのニーズは大きいので、税務コンサルティングの必要性は非常に高いです。

これからのIT化社会で、税務申告書類を作成するという業務、ITで代替されるようになると思います。だからこそ、ITでは代替できない、節税のコンサルティング業務など、クライアントにプラスアルファの助言ができることの重要性がより増してくると予想されます。

今、説明してきた税務業務は、日本においては税理士という国家資格の独占業務です。公認会計士は税理士登録も可能なため、公認会計士も税理士として税務業務を行えるのです。

そもそも、なぜ公認会計士が税理士登録できるのでしょうか。それは、公認会計士試験の科目には租税法が含まれており、また、合格後に通わなければならない補習所でも、各種税法について、より詳しく学習するからです。

さらに、公認会計士として登録するために合格しなければならない修了考査の科目にも租税法があります。このように、公認会計士は、税務業務を行うために必要な能力は十分に担保されているので、公認会計士は税理士登録できるのです。

では、国際的には、公認会計士と税理士は、どのような位置付けになっているのでしょうか。

実は、多くの欧米の先進国には、税理士という資格自体が存在しておらず、公認会計士が税務業務も行うというのが国際的には一般的なのです。また、アメリカにも、一応米国税理士という資格がありますが、米国公認会計士も米国弁護士も、特に米国税理士に登録しなくても税務業務を行える権限を持っています。このように、公認会計士と税理士の位置付けについて、日本と非常に近い形態を採用している国は、ドイツと韓国のみというのが現状です。

このような理由から、公認会計士は税理士登録もできるようになっているのです。

2.公認会計士の業務内容~独占業務以外~

(1)アドバイザリー業務(コンサルティング業務)

アドバイザリー業務(コンサルティング業務)は、クライアントの抱える課題やニーズに対して、専門知識を用いて、解決策を提案・実行していく業務です。アドバイサリー業務は、監査業務に比べさらなる専門知識が必要とされます。

さらに、戦略立案力や論理的思考力など、専門知識以外の様々な能力も求められます。大手監査法人の多くでは、アドバイザリー業務をグループ内の専門会社で実施していることが多いので、アドバイザリー業務を希望する場合には、所属を移動することが多いです。

なお、中小監査法人では、監査法人内でアドバイザリー業務も行っていることが多いため、監査法人にいながら監査業務とアドバイザリー業務の両方を経験できます。

アドバイザリー業務には、様々なジャンルがあります。以下では代表的なものを説明していくことにします。

① 会計アドバイザリー業務

会計アドバイザリー業務は、適正な財務諸表の作成を効率的に行える体制の構築を支援する業務です。具体的には、決算の実施・月次決算の導入・連結決算の支援といった、財務諸表作成のための様々な支援や、原価計算・管理会計の導入や監査法人対応の支援、決算の早期化などがあり、その業務は多岐に渡ります。

また、企業の資金繰り等を調べ、適切な財務戦略を講じることも実施します。数多くある資金調達の方法から、どの方法で資金を調達することが可能か、また、企業価値を最大化する調達方法は何か等を検討し、ファイナンスに伴うアドバイスしていくことになります。

この会計アドバイザリー業務は、公認会計士の専門知識が最も活きる分野であるため、監査業務から移行しやすい分野であると言えます。

② M&A(財務)アドバイザリー業務

M&Aアドバイザリー業務は、財務アドバイザリー業務とも言われ、企業同士が買収・合併・組織再編等を行う場合に様々な支援を行う業務です。

具体的には、買収する企業や合併する企業の企業価値を評価算定する「バリュエーション業務」、買収する企業や合併する企業の財務状況を調査する「デューデリジェンス業務」を中心に、M&Aが成功するための様々な支援を実施します。

つまり、M&A相手の選定から、M&A後の事業計画の策定、M&A実施後のシナジー効果発揮のための支援など、業務は、非常に多岐に渡ります。

日本では、かつての村上ファンド事件や外資系投資ファンドがハゲタカと揶揄されていたように、M&Aにはいいイメージが定着していません。

しかし、今後、企業が生き残りをかけ、より活発にM&Aが実施されるという流れの中で、M&Aアドバイザリーのニーズは益々増大していくと予想されます。

③ 事業再生アドバイザリー業務

事業再生アドバイザリー業務は、経営状況が悪化した企業や、経営に行き詰った企業の再生を図るために様々な支援を行う業務です。具体的には、事業再生のための計画を立案したり、必要に応じて事業再編のためのM&Aを模索したり、金融機関との資金繰りの交渉をするなど、業務は多岐に渡ります。時には、大規模なリストラ計画を策定・提案することも必要になります。

このような、M&Aアドバイザリー業務や事業再生アドバイザリー業務は、必要に応じてあらゆる専門知識を必要とするため、通常は公認会計士以外にも、弁護士、税理士、コンサルタント、不動産鑑定士などの様々な専門家でチームを組んで取り組むことになります。

(2)その他の業務

また、その他の業務として、株式上場支援業務、パブリック・セクターに関する業務、内部統制監査、IFRS導入支援業務などもあります。

① 株式上場支援業務(IPO業務)

株式を公開している会社は、公認会計士の監査が義務付けられていますが、公開前の会社は基本的に義務づけられていません。そのため、上場準備に入った会社に対して、監査を実施すると同時に、上場に必要な体制の整備を支援する。これが、株式上場支援業務(IPO業務)です。

具体的には、企業の内部統制の状況を把握し、問題点を指摘・改善すること、従来の会計処理方法で修正が必要なものを指摘・改善すること、資本政策や経営管理体制のアドバイス、コンプライアンスの徹底、上場審査書類の作成支援、上場後の情報開示の支援などを行うことになります。

このような株式上場支援業務の醍醐味は、ベンチャー企業から大企業へという成長ステージを企業の経営者と一緒に二人三脚で歩みながら、サポートしていくことができることです。

また、最近では、アジアを中心とした新興国での株式上場案件等も増加してきており、地域ごとに応じたサービスの提供も始まっています。監査法人では新興国専門の部署を設けているところも出始めています。そのため、アジアや新興国でのビジネス経験のある公認会計士のニーズも今後ますます高まっていくと予想されます。 

② パブリック・セクタ―

中央省庁・地方自治体・独立行政法人・学校法人・公益法人等のパブリック・セクターに対する業務があります。我が国の財政が逼迫する中で、税金をより効率的に使用するためには、適切な情報開示は欠かせません。

現状では、独立行政法人や地方公共団体の一部・学校法人の一部については、法定監査が義務となっていますが、まだまだ、全体として十分なレベルとは言えないのが現状です。

また、公会計は、通常の企業会計と異なる会計制度を採用しており、適切な情報開示がなされていないという側面があります。

今後、益々、情報開示が求められる社会に進むにつれ、情報開示の適切性を担保する公認会計士による監査の重要性は高まっていくので、パブリック・セクターでの仕事も増えていくと予想されます。 

③ 内部統制監査

公認会計士は、財務諸表が適正に作成されているかを監査することが主な業務ですが、経営者が適正な財務諸表を作成するためには、社内の業務が適切に運営・管理されていることが必要になります。ここで、社内の業務を適切に運営管理するためのルールや環境のことを内部統制と言います。

そのため、経営者は、適正な財務諸表を作成する責任を有しているのと同時に、適切な内部統制を整備・運用する責任も有しています。

平成20年から、内部統制監査(通称J‐SOX)が導入されました。内部統制監査とは、経営者が社内の内部統制の状況について報告した書類である内部統制報告書が、適正に作成されているか、つまり、内部統制報告書に虚偽記載が含まれていないかを監査するものです。

これは、近年の不正や不祥事の増加を受け、国際的には既に導入されていた内部統制の監査を日本でも導入したというのが、背景にあります。

この内部統制監査が導入されたことにより、公認会計士業界には特需が訪れ、導入当初の時期は、非常に景気がよい時代でした。なぜなら、内部統制監査に対する仕事が増加するだけでなく、どのような内部統制を構築するべきかというアドバイザリー業務も増加したからです。このように、会計や監査に関わるルールが新たに導入された場合には、公認会計士の業界は特需が訪れます。

受験時代には法改正は勉強内容が増えるのでマイナスのイメージを持たれるかもしれませんが、ビジネスにおいては、法改正に伴いビジネスチャンスが広がるという側面もあるのです。

④ IFRS導入支援業務

今後予想されている特需は、国際会計基準(通称IFRS)の導入です。国際会計基準とは、財務諸表の作成方法を規定した国際的なルールのことです。国際会計基準を導入している国は、現在120か国以上に上り、先進国では、アメリカを除くほとんどの国で採用されています。

では、日本における対応はどのようになっているのでしょうか。日本では、日本独自の会計基準である日本基準をベースとしながらも、国際会計基準の適用を任意で認めているという状況です。そのため、グローバル企業の数十社を除く、大部分の企業が未だに日本基準で作成しています。

グローバル化が進展する中で、世界中の企業が同じルールで財務諸表を作成することが、企業の業績を比較する際には有用ですので、日本でも、国際会計基準への一本化についてたびたび議論がなされています。しかし、強制適用に賛成する人々と、反対する人々の意見が集約できず、現時点では、強制適用の時期については未定の状況ですが、将来的には、国際会計基準を採用する方向になると予想されています。

仮に、国際会計基準が導入された場合には、公認会計士は、日本中のクライアントに対して、国際会計基準に対応するために必要なコンサルティング業務や導入支援業務を提供することになるため、業界にとっては特需になると言われているのです。

このように、今後、国際会計基準の導入企業は確実に増加していくことが予想され、かつ、国際会計基準に一本化される可能性も高いので、今後の公認会計士は、国際会計基準の知識も不可欠になります。

3.公認会計士のキャリア選択

ここまでで、公認会計士の業務内容を説明してきましたが、公認会計士のキャリアの選択肢についてみていきたいと思います。

公認会計士の活躍範囲は、監査法人、独立開業、コンサルティングファーム、大企業の管理部門、ベンチャー企業のCFO、金融機関など多岐に渡っています。

(1) 監査法人でのパートナー

監査法人のパートナーは、その監査法人の共同経営者である。共同経営者とは、出資者でもあり経営者でもある者をいいます。 通常の企業の場合、出資者である株主と、経営者である役員は、別の立場ですが、監査法人は、公認会計士が共同で出資した法人であるため、役員と株主を兼任するパートナーという地位が設けられています。つまり、監査法人は、出資者と経営者が同一であるという特徴があるのです。

そして、スタッフ(3年程度)→シニアスタッフ(5年程度)→マネージャー(5年程度)→シニアマネージャー(5年程度)→パートナー→シニアパートナーと昇進していきます。

早い人で入社して15年程度でパートナーになれるので、30代後半でパートナーに昇進することが可能です。

パートナーは、共同経営者であるため、監査法人のマネジメントにも参画することになります。経営者として、監査法人の方向性のかじ取りをしていくことは、非常にやりがいもあります。

このような様々な魅力があるため、公認会計士の花形のキャリアとして、監査法人のパートナーという地位は不変なのです。

監査法人内では、主に、監査業務・アドバイザリー業務・IPO支援業務・パブリックセクター・内部統制監査などの業務を行うことになります。

(2) 独立開業

監査法人で一通りの経験を積んだ後は、独立を果たし、自分の事務所を立ち上げるという選択肢があります。この場合、一国一城の主になるため、自分のやりたいように事務所の運営ができるので、責任も伴うが、非常にやりがいがあると言えます。

独立開業した場合には、監査法人を設立する道と会計事務所を設立する道とがあります。監査法人を設立する場合には、公認会計士が5名以上在籍する必要があり、ハードルが高いため、基本的に独立開業をするという場合には、会計事務所を設立することが多いです。もちろん、5名以上の公認会計士で監査法人として独立する方もいます。

クライアントは、監査法人が上場企業等の大企業中心であるのに対し、個人の会計事務所は中小企業が中心となります。また、会計事務所の業務は、税務業務や税務業務とアドバイザリー業務が中心となり、監査業務は少ないのが現状です。

そして、中小企業の経営者が困っている部分をなんでもサポートし、一番の理解者になっていくことが求められます。そのため、税務関連業務はもちろんのこと、様々な経営・財務アドバイザリー業務、内部統制支援業務、後継者選定の相談まで、なんでも必要なことに対応していくことが必要です。

個人会計事務所での仕事の醍醐味としては、中小企業を経営者とともに成長させていくことです。クライアントの役に立っていると、直接的に実感できることも大きなやりがいの一つと言えるでしょう。

また、地方出身の公認会計士で、将来は地元に戻り、地元の中小企業を支えることで、地域社会に貢献したいと思っている人も多くいます。

(3) コンサルティングファーム

コンサルティングファームは、様々な専門知識を活用し、クライアントが抱える問題を解決していく仕事。非常にやりがいもあり、結果を出せば、多額の報酬も約束される花形の職業とも言えます。

ただ、一口に、コンサルティングファームと言っても、「戦略系」、「財務専門」、「事業再生専門」、「会計やIT専門」と様々な分野があります。

この中で、財務諸表を徹底的に知り尽くしている公認会計士が強みを発揮するのが、会計・財務・事業再生の分野となります。また、会計知識を活かして戦略系の分野で活躍している方もいます。

コンサルティングファームは、トップファームになればなるほど、競争が激しい傾向があります。多くのコンサルティングファームでは、アップオアアウトを採用しているので、原則として、昇進するか辞めるかという状況になることが多いです。つまり、昇進できない者は辞めないといけないという仕組みになっているのです。

トップファームの新入社員は、入社後、毎年30%がやめていき、3年後に生き残れる者は10%程度と言われることもあるほど競争が激しい世界とも言われています。

そんな厳しい世界なので、公認会計士といえども、簡単には生き残れません。ただ、公認会計士は、会計・財務・税務等の専門知識を有しているので、非常に有利であると言えます。

公認会計士がコンサルタントとして活躍するために不可欠な力が、財務諸表を読み取り、事業へのアウトプットをする力です。公認会計士の監査業務は、作成された財務諸表が適正かどうかを判断することなので、その会社の事業へのアウトプットは必要ありません。

しかし、コンサルタントの場合には、作成された財務諸表から、事業の状況や課題を読み取り、経営アドバイスに落とし込んでいくことが必要なのです。そのためには、ビジネスに対する深い理解と財務諸表から会社の実態を読み取る力が欠かせません。

また、コンサルタントとして生き残るためには、戦略立案力・コミュニケーション力・交渉力・プレゼンテーション能力など、様々な能力も求められます。公認会計士としてのキャリアを積んだ後に、自分の適性を見極め、勝負の世界に飛び込んでみるのも魅力的な選択肢であることは間違いないです。

(4) 大企業の管理部門

公認会計士の力は、大企業の経理部・財務部・経営企画部でも発揮することができます。そもそも公認会計士は、経理部が作成した財務諸表を監査することが主な仕事ですが、大企業の経理部には、公認会計士が組織内会計士として数多く勤務しており、財務諸表作成の段階で専門知識を活かして活躍しています。近年の連結会計やIFRS対応等の経理実務の複雑化から、組織内会計士のニーズは高まっています。

また、企業の財務部においても、組織内会計士の必要性は高まっていると言えます。財務部は、企業の資金繰りを考える財務戦略の立案や、予算の策定を行っている部署です。間接金融が減少し、直接金融のニーズが高まるにつれ、財務の知識を有している公認会計士の活躍の場は、経理部のみならず、財務部にまで広がっているのです。

さらに、公認会計士は、企業の戦略立案を担う経営企画室で活躍することも可能です。経営企画室は、自社の経営環境を分析し、将来の経営計画を立案実行するための司令塔的な役割を担う部署ですが、その業務を行うに際して、経営管理や財務の知識及びM&Aの知識など、総合的な知識・能力が必要となります。このような総合的な知識・能力が求められる経営企画室においても、公認会計士の必要性は高まっています。

(5) ベンチャー企業CFO

ベンチャー企業で、組織内会計士として働く場合の、最終目的は、最高財務責任者(CFO)となります。企業のCFOとなり、経営戦略の立案・事業計画を達成するための財務戦略・M&A戦略など多岐に渡る業務の責任を全て担うことになります。

会社が一定の規模まで成長すれば、株式公開業務の責任者としても活躍することになりますし、株式上場後は、監査法人対応も責任者として取り組み、適正な情報開示が可能な体制を整備することになります。

また、企業の成長段階に応じての資金調達などの財務戦略を設計することも必要になります。

このように、CFOの業務は、責任も重大ですが、プロフェッショナルな業務で、かつ、マネジメントもできるという非常にやりがいのある業務と言えるでしょう。

(6) 金融機関

金融機関と言っても、商業銀行・証券会社・投資銀行・ファンドなど、その範囲は多岐に渡ります。公認会計士は、金融機関内では、企業価値を評価算定する「バリュエーション業務」、企業の財務状況を調査する「デューデリジェンス業務」などの分野で活躍することができます。

金融機関も、M&A支援業務や投資業務など、様々な業務を行っているため、公認会計士の知識を活かせる場面は多いのです。

もちろん、銀行本来の業務である融資や証券会社などの運用業務についても、公認会計士の財務会計・税務などの知識を活かして活躍することも可能です。

金融機関で働く場合には、一流のプロフェッショナルとしての高度な専門知識の蓄積と、その知識を活かした価値の高いアウトプットが求められることになります。

このように、公認会計士の活躍範囲は非常に多岐に渡ります。それぞれの業務やキャリアによって求められるスキルやメリットデメリットも異なりますが、選択できる幅が広いというのは、公認会計士の魅力の一つなのです。

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