合併比率ってなに? ユニーとファミリーマートの合併で考える!

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10月15日付で、ファミリーマートとユニーグループホールディングスが2016年9月に経営統合することが発表されました。

ファミリーマートを存続会社、ユニーグループホールディングスが消滅会社となり、吸収合併が行われるようです。

今回の合併は、ファミリーマートがユニーグループを吸収するということなのですが、この際に合併比率が、1:0.138と発表されました。様々な組織再編にとって、この株式の交換比率はとても重要な意味を持っていますので、本日は、合併比率について、今回のファミリーマートとユニーの吸収合併を例に説明していくことにしましょう!

1.合併後の株式数

A社がB社を吸収合併した場合には、A社がB社を吸収してB社は消滅してしまいます。そのため、A社は、B社の株主に対して、A社の株式を交付することになります。

たとえば、A社の企業価値が100億円、B社の企業価値が50億円であれば、合併に際してB社の株主はA社株式を50億円分交付されることになります。

その結果、合併後のA社(A社+B社)の企業価値は150億円になり、旧A社の株主が100億円分、旧B社株主が50億円分の株を保有することになるのです。

このように、合併は、両者が結合し、一体となって活動することで、企業としての競争力を高めることを目的に実施されるのですが、合併後の株式数は、合併時の両社の企業価値の比率で決定することになります。

2.合併比率とは何を意味しているのか?

では、合併比率とは何なのでしょうか。

合併比率は、消滅会社であるユニーの株式1株について、存続会社であるファミマの株式を何株交付するかという比率を意味しています。

そのため、今回の合併比率が1:0.138ですので、仮に合併前にファミマとユニーがそれぞれ1,000株の株を発行していた場合には、ユニーの株主が保有していたユニー株1,000株に対して、138株(1,000株×0.138)のファミマ株が交付されることになります。

つまり、合併後の会社の株式数は、1,138株となり、旧ファミマの株主が1,000株、旧ユニーの株主が138株を保有することになります。

3.合併比率は、会社の価値の比率なのか?

この時に、合併前のファミマとユニーの企業価値の比率が1:0.138であったと単純に考えてしまうかもしれませんが、それは誤った理解と言えます。

仮に、ファミマとユニーの合併前の企業価値がそれぞれ1,000億円と138億円であったとしましょう。その場合に、最終的に合併後の株式保有数は、企業価値である1,000億:138億の比率にはなります。しかし、合併比率と企業価値の比率の関係は、合併時の発行株式数によって動いてしまうのです。ファミマとユニーの合併前の企業価値をそれぞれ1,000億円と138億円と仮定した場合、以下のようになります。

ブログ用№8①

つまり、合併比率は、合併後の株式の比率が、合併前の企業価値である1,000億円:138億円になるように、消滅するユニーの株1株に対して、ファミマの株式を何株割り当てるかという比率であるため、合併前の両社の株式数により影響を受けてしまうのです。

そのため、合併前の両社の株式数が同じであれば、合併比率は企業価値の比率と同じになりますが、合併前の株式数が異なる場合には、上記の様に、合併比率と企業価値の比率は異なることになります。

4.今回の合併はどうだったのか

今回のファミマとユニーの合併については、以下のようになっています。

ブログ用№8②

今回の合併では、合併後の株式保有割合は、ファミマ75.4%、ユニー24.6%になっていますので、端数を現金精算している点は無視すると、企業価値の比率は、75.4:24.6となっていることを意味しています。そのため、合併直前の株式数が同数であったのであれば、合併比率は、1:0.326(24.6/75.4)と言えるのです。

そのため、合併比率を見て、1:0.138が企業価値の比率であると誤解しないように注意する必要があります。

5.実際の合併比率の算定はどうやっているのか

ここまでで、合併比率と企業価値の関係を説明してきました。では実務ではどのように合併比率を決めているのでしょうか。

合併比率は、両社の企業価値をいくらと算定するかに依存します。

そのため、両社とも合併後の株式数を少しでも多くするために、合併時の自社の企業価値をできるだけ高く評価してもらうことが重要になります。

企業価値は、株価、純資産額、当期純利益、将来キャッシュフローの見積もりなどの定量的な財務情報だけでなく、競争力、ブランド力、市場環境などの様々な定性的な要因を複合的に加味して決定します。

この企業価値の算定には、それぞれの会社の財務状態を調査したり、将来キャッシュフローを見積もったりという、様々な高度な知識を多数必要とします。これらを総称してM&Aアドバイザリー業務といい、公認会計士を有するコンサルティング会社や投資銀行などが主に行う仕事になります。

そして、ほとんどの合併はこの合併比率の算定(企業価値の算定)で、当事者同士の合意ができず破談になっているという現状があります。

これ以上専門的な話に入ると逆にわかりづらくなりますので、まずは、

①合併後の会社の株式の保有割合が企業価値の比率である。

②企業価値の比率が合併後の株式の保有割合になるように、合併前の株式数に応じて合併比率が決定される。

③よって、合併比率は、企業価値の比率を示しているわけではない

という点を理解してもらえればと思います。

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